ほんものの名酒とは 9
これは決して通をきどっていうのではありません。
細かく刷き分ければ日本酒にもワイン同様に年度もの(ヴィンテージ)を云々できるほど、その年々によっておなじ銘柄のおなじジャンルのものでも味わいがちがうのです。
どの年のものもすぐれていたとしてもやはり、くっきりとある年のものが特別いいことがあります。
またその佳酒を3年、5年、10年と保存、秘蔵する古酒になると、年が経つにつれて思いがけないすばらしい風味が実現することもあるのです。
いずれにせよ"名酒"のレベルで酒を論じるなら、ある特定の銘柄だけを挙げてすませるような大ざっぱな賞め方はできないのです。
以前、灘、伏見の大手の酒の桶買い・大量生産による清酒の画一化にがまんできなくなった愛酒家たちが、地方の中小酒蔵の自家製酒に目を向けました。
いわゆる「地酒ブーム」が起こりはじめたころは、「特級より2級のほうがうまい」という酒通があちこちにいました。